Bundesliga
ブンデスリーガの「ヤングスターFILE」第3回目は、ボルシアMGの21歳ドイツ人MFフローリアン・ノイハウスに注目!
ふわりと浮かせたパスでラファエウのゴールをアシストすると、今度は自らペナルティーエリア内でパスを受け、狙い澄ましたシュートをゴール右隅に突き刺す。高度な技術に裏打ちされたアシストとゴールに、シュトゥットガルトの守備陣はどうすることもできなかった。
1ゴール1アシストを記録してブンデスリーガ第14節の主役となったボルシアMGのフローリアン・ノイハウスは、今季開幕戦でブンデスリーガデビューを飾ったばかりの21歳のドイツ人MFだ。国際的にはまだ無名だが、1860ミュンヘンの下部組織でプレーしていた2016年5月に約50メートルの鮮烈弾を叩き込み、玄人筋の間では早くから知られた存在だった。
翌シーズンに1860ミュンヘンでトップデビューを飾ると、シーズン終盤に出場機会を増やし、2部残留を懸けたレーゲンスブルクとの昇降格プレーオフで貴重なゴールを記録。2017年夏のボルシアMG加入時点ではレギュラーに割り込む余地がなかったが、当時2部だったフォルトゥナ・デュッセルドルフへの武者修行が結果的に吉と出た。
デュッセルドルフでポジションを勝ち取ったノイハウスは、中盤にダイナミズムとスキルを注入しつつ、要所でゴールを奪うなど躍動。原口元気や宇佐美貴史とともにチームのブンデスリーガ昇格に大きな貢献を果たした。この新鋭に対し、デュッセルドルフのフリートヘルム・フンケル監督は「恐れを抱かずボールにチャレンジできるし、それを実行するための強い意志を持っている」と評価している。
前述のアシスト&ゴールのシーンが象徴するように、ノイハウスの持ち味は相手ゴール前の狭いスペースで決定的な仕事をこなせること。得意の中・長距離砲で自らゴールネットを揺らすシーンこそまだ見られないが、ここまでリーグ最多タイの8アシストをマークし、トルガン・アザールやアラサン・プレアらアタッカー陣の爆発を促す“触媒”になっている。
他にもボールを運ぶ能力、献身的な守備、切り替えの速さなどの評価も高く、現在はUー21ドイツ代表の主軸としてプレーしている。現時点ではまだドイツ代表に縁がないが、持ち前のダイナミズムや正確なプレーはA代表でも十分に通用するはずだ。
文=遠藤孝輔