Bundesliga
ブンデスリーガ最大のビッグマッチ、バイエルン・ミュンヘンとドルトムントが激しく火花を散らすデア・クラシカーが11月9日に開催される。バイエルンの本拠地アリアンツ・アレーナで行われる大一番を制するのは果たしてどちらだろうか。
チーム状態で優位に立つのは目下、公式戦3連勝中のドルトムントだろう。DFB杯2回戦でブンデスリーガ首位のボルシアMGを破り、前節は好調ヴォルフスブルクにリーグ戦でのシーズン初黒星をつけた。さらに直近の欧州チャンピオンズリーグ(CL)では主将のマルコ・ロイスを負傷で欠きながらインテルに逆転勝利。過去2シーズンで大敗を喫している“鬼門”アリアンツ・アレーナでの一戦に向け、ルシアン・ファブレ監督は「我々には失うものもないし、彼らへの恐れもない」と意気込んでいる。
足首を痛めているロイスに加え、インテル戦でハムストリングを負傷したジェイドン・サンチョの出場が危ぶまれる中、ドルトムントのキーマンになりそうなのが絶好調のアクラフ・ハキミだ。右ウイング、右サイドバックのどちらで起用されても、持ち前のスピードを生かしたドリブルやチームの仕掛けを急加速させるパス&ゴー、FW顔負けの精度の高いフィニッシュで、アタッキングサードで大きな違いを作っている。
対するバイエルンは、アイントラハト・フランクフルトに1—5の大敗を喫した前節終了後にニコ・コヴァチ監督を解任。ハンジ・フリック暫定監督のもとで、ライバルを迎え撃つことになる。直近のCLオリンピアコス戦では相手に枠内シュートを許さない完勝(2—0)を収めたものの、ドルトムント戦でどれだけやれるかは未知数。勝ち点4差の首位ボルシアMGを追走するためにも、本拠地で会心の勝利を収めて停滞ムードを打破したいところだ。
バイエルンの注目選手はロベルト・レヴァンドフスキとトーマス・ミュラーだろう。前者はチーム状態に左右されずゴールネットを揺らし続け、ここまで10戦14発と得点王争いを独走している。後者はフィリペ・コウチーニョのバックアッパーに甘んじていたが、フリック暫定監督体制でトップ下の一番手に再浮上。あうんの呼吸を見せる2人が、昨季まで同僚だったマッツ・フンメルスの壁をいかに乗り越えるか。勝負を分けるポイントになりそうだ。
バイエルンは負傷離脱中のニクラス・ジューレ、リュカ・エルナンデスに加え、ジェローム・ボアテングが出場停止。オリンピアコス戦では左サイドバックのダヴィド・アラバと守備的MFのハビ・マルティネスがセンターバックのコンビを組んだが、急造の最終ラインがどこまで通用するのかも大きなポイントだ。
史上まれに見る混戦模様を呈している今季のブンデスリーガ。その覇権争いの行方を占う意味でも、勝ち点19で2位につけるドルトムントと同18で4位につけるバイエルンの大一番は絶対に見逃せない。
文=遠藤孝輔