Bundesliga
リーグ史上初の6連覇を達成したバイエルン・ミュンヘンを語る上で、マヌエル・ノイアーという存在を忘れてはならない。国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が選ぶ世界最優秀GKを2013年から4年連続で受賞し、国内外で様々なタイトルを獲得してきた同選手は、GKというポジションに必要な能力すべてを備え、また時にペナルティーエリアを飛び出す超攻撃的スタイルで、新たな守護神像を作り上げた。 だが、そんな彼が最後尾に陣取るバイエルンも、今季は第6節で首位から陥落。以降、一度も頂点の座を取り返せていない。果たして、現在上位5クラブの正GKで、ノイアー以上のパフォーマンスを見せているのは誰なのか!?5人の守護神たちを比較する。
出場試合数:12
失点数:11
無失点試合数:5
シュートセーブ:48本中37本(77.1%)
アウグスブルクからマービン・ヒッツを補強しつつも、ドルトムントのルシアン・ファーブレ監督は昨季に続いてビュルキに守護神の座を託しており、その策は吉と出ている。バイエルンとの“デア・クラシカー”こそ負傷欠場してしまったものの、それ以外の全試合に出場し、絶体絶命のピンチからチームを幾度となく救ってきた。
シュートセーブ率は2017/18シーズンの70%から大幅にアップし、現段階で77.1%を記録。「エクセレントなGKです。今季の彼はビッグセーブを連発しており、若い選手が大勢いる中、彼のような経験豊富な選手が守護神として構えていることは、とりわけ重要なのです。ロマンは、我々のリーダーの一人です」と、指揮官も全幅の信頼を置いている。
出場試合数:13
失点数:16
無失点試合数:4
シュートセーブ:62本中46本(74.2%)
かつてヴォルフスブルクに在籍したディエゴ・ベナーリオが2014年にスイス代表から引退を表明して以降、同国ナンバーワンGKの座はビュルキではなく、このゾマーに与えられた。FIFAワールドカップ・ロシア大会ではスイス代表正GKとして全4試合にフル出場し、自身5年目となったブンデスリーガでもプレーの安定度は増すばかりだ。
特筆すべきはビルドアップの貢献度で、ボールタッチ数は1試合平均51.3回と他の追随を許さない。ピッチ上のみならず、ロッカールームでも積極的にコミュニケーションを図るなど、ボルシアMG副キャプテンとしての自覚も伺える。
出場試合数:13
失点数:10
無失点試合数:7
シュートセーブ:49本中39本(79.6%)
もちろんGK一人で敵の攻撃を守りきることなど不可能であるが、ライプツィヒがリーグ最少失点を守り続けている理由は、このグラシにある。シュートセーブ率はこの5人で最高の79.6%を記録し、無失点試合の数も7で最多。
ラルフ・ラングニック監督も「毎試合我々のゴールマウスを守ってくれるグラシ。彼のパフォーマンスを見れば、彼が今やブンデスリーガのベスト・ゴールキーパーであると分かるでしょう」とベタ褒めだ。
出場試合数:13
失点数:18
無失点試合数:2
シュートセーブ:35本中17本(48.6%)
バイエルンとドイツ代表でキャプテンを務めるノイアーが、ブンデスリーガを代表するGKであることに疑いのまなざしを向ける者はいないだろう。しかし負傷により昨季の大半を棒に振った影響なのか、これまでのキャリアで76.1%を誇っていたシュートセーブ率も、今季はなんと48.6%にまで激減。チームとともに低パフォーマンスが続いている。
しかしブンデスリーガ通算359試合出場、そのうち171試合で無失点というのは伊達ではない。バイエルンの伝説的守護神オリバー・カーンの557試合出場という大記録を抜く可能性を持つのは、やはりこのノイアーしかいない。
出場試合数:12
失点数:16
無失点試合数:2
シュートセーブ:53本中37本(70%)
パリ・サンジェルマン(フランス)からの期限付き移籍で古巣フランクフルトへカムバックを果たしたトラップは、シュートセーブ率70%という高い数値を記録し、また敵のビッグチャンス阻止率はグラシの41.7%に次ぐ36.4%となっているなど、同クラブの躍進を支えている。さらに、これまでブンデスリーガでは通算17本のPKに直面しており、そのうち5本をセーブ。ピンチになればなるほどファインセーブを連発してくれる――それがトラップというGKなのだ。