Bundesliga
ブンデスリーガの有望な若手選手を紹介する「ヤングスターFILE」。第8回はホッフェンハイム所属の22歳のストライカー、ジョエリントンに注目!
ホッフェンハイムに所属する22歳のストライカー、ジョエリントンがついにブレイクの兆しを見せている。ブンデスリーガ第19節のフライブルク戦では、相手のバックパスの乱れを見逃さず高い位置でインターセプトすると、そのままペナルティーエリア内にボールを運んで左足を一閃。自身8試合ぶりとなる今季5ゴール目を決めた。
2015年夏に母国ブラジルのレシフェからホッフェンハイムに加入したジョエリントンは、それから3年の時を経てチームの主力に成長した。本人の目標は「ブラジルを代表するスターになること」。かつてホッフェンハイムで飛躍を遂げた同胞のカルロス・エドゥアルド(現コリチーバ)やロベルト・フィルミーノ(現リヴァプール)の背中を追っている。
ドイツに来た当初はほとんど無名の存在で、加入1年目のブンデスリーガ出場はわずか1試合。本人いわく「ドイツでやっていくには線が細かった」。それでもフィジカル強化をはじめとした肉体作りに注力、期限付き移籍先のラピド・ウィーンで過ごした過去2シーズンは、ドイツ語習得にも熱心に取り組んだ。
「ヤツはアニマルさ。マシーンでもあるね。彼を止めるのは難しいよ」。ホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマン監督はそう言ってジョエリントンを称賛する。ブンデスリーガに適応するための下積みを重ね、今では屈強なフィジカルを生かしたポストプレーが一つの持ち味になった。オーストリア訛りはあるものの、ドイツ語のコミュニケーションにも不安はなくなった。しっかりと課題と向き合い、才能を伸ばす努力を怠らないその真面目な性格はドイツ向きと言えるだろう。
持ち前のスピードでウイングとしてもプレーできる万能性を備えているが、本人は「古き良き9番タイプさ」と自己分析する。その言葉の裏にあるのは、ストライカーとして勝負し続けたいという思いだ。これまで数多くのブラジル出身ストライカーがブンデスリーガのファンを魅了してきた。ジオバネ・エウベル、マルシオ・アモローゾ、アイウトン、グラフィッチ……。いずれも21世紀以降のブンデスリーガで得点王に輝いた正真正銘のスターだ。努力家のジョエリントンはその系譜を継ぐ存在になるかもしれない。
文=遠藤孝輔
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