Bundesliga
ハノーファーの原口元気が11月25日のボルシアMG戦で日本人選手史上11人目のブンデスリーガ100試合出場を達成した。「出れない時期もあって、半年は2部だったけど、それ以外はしっかり出場してこられたと思う。どんな時も常に試合に出る努力をしてきた。それが100試合(という結果)」。ドイツに渡って5年目で迎えた“節目”について、本人はそう言って胸を張る。
「苦しいことも、楽しいこともあった」。2014年夏にヘルタ・ベルリンで始まったドイツでの挑戦は決して順風満帆なものではなかった。1年目は21試合、その後の2シーズンはレギュラーとして計63試合に出場したが、4年目は去就問題もあってポジションを失い、前半戦の出場は7試合にとどまった。
それでも、冬の移籍市場で当時2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフへの期限付き移籍を決断し、チームのブンデスリーガ昇格に貢献して自らの存在価値を証明。今季は気持ちを新たにハノーファーへ加入し、第7節のシュトゥットガルト戦でアシストを記録してからはコンスタントに試合に絡んでいる。
ドイツで戦い続けて4年5カ月、ドリブルを得意としていた23歳の若者は、いつしか走力を武器に攻守で闘える頼もしい存在になった。プレースタイルを変えてでも出番にこだわり、ピッチで自身の価値を示す。それこそがドイツでの活躍を支えてきた原口の信念だ。「試合に出続けることが大切だと思ってやってきた。(100という)試合数はチームに必要だと思われる選手であり続けた証拠だと思うので、これからもしっかり出続けたい」
試合に出ながら経験を積み重ねてたどり着いたのは、率直に「サッカーを楽しむ」という境地だった。ハノーファーは第12節終了時で16位と厳しい戦いを強いられているが、それでも原口は覚悟を決めたように落ち着いている。
「苦しい中で、どうやってチームを助けていくかを考えながらやりたい。苦しみながら自分が成長していくのを楽しめればいい。(以前のように)とにかく一生懸命やるのと、こういう状況を客観視して“どうやったらいいかな”と楽しみながらやるのと、どちらがいいかは分からない。だけど、今は楽しみながらこの状況を打破するためにやっている。そういう部分では成長したと思う」
ドイツに来て心身ともに成長を遂げたが、初心も忘れてはいない。「昔は試合に出られなかったり、勝てなかったりした時に、もっとがむしゃらにやっていたかもしれない。そういうものも大切にしないといけないと思う」
101試合目の出場を狙う今節は奇しくも古巣ヘルタが相手だ。「思い入れが深いチームだから、成長したところを監督や選手に見せられたらいいかな」。苦楽をともにした古巣相手に100試合出場の集大成を見せることが、今後も続くキャリアの新たな一歩となるはずだ。
文=湊 昂大
1位 長谷部誠 269試合(7ゴール)
2位 奥寺康彦 234試合(26ゴール)
3位 酒井高徳 170試合(2ゴール)
4位 香川真司 148試合(41ゴール)
5位 高原直泰 135試合(25ゴール)
6位 岡崎慎司 128試合(37ゴール)
7位 清武弘嗣 117試合(17ゴール)
8位 大迫勇也 117試合(17ゴール)
9位 内田篤人 104試合(1ゴール)
10位 細貝萌 102試合(3ゴール)
(2018年11月24日現在)
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