Bundesliga

2019-01-12T18:00:00Z

長谷部誠インタビュー・後編「ドイツは、自分にとって全ての面でパーフェクトな国」

今季前半戦のベストチームの一つに数えられるアイントラハト・フランクフルトで、一際存在感を発揮していたのがチーム最年長の長谷部誠だ。アディ・ヒュッター監督から「絶対的な存在」と大きな信頼を寄せられ、来季末まで契約を延長、AFCからは最優秀国際選手賞にも選ばれた。ブンデスリーガで10年以上の経験を積んだ34歳の止まることのない前進に世界が再び注目している。 インタビュー後半では、2018年から在籍するブンデスリーガへの想いを聞いた。

【インタビュー前編】長谷部誠「日本代表はアジアのトップでなければならない」

ーー2008年1月に日本からドイツへ渡り、翌年5月にはヴォルフスブルクでブンデスリーガ優勝メンバーになりました。マイスターシャーレを持ち上げたときの気持ちは、どのようなものだったのでしょうか?

長谷部 当時は、ブンデスリーガで優勝するということがどれほどすごいことか、本当の意味では理解できていなかったと思います。もちろん優勝して「すごい!」と周囲も喜んでくれたんですけど、自分としてはドイツに来てまだ1年半くらいしか経っていないタイミングでの優勝でしたし、日本でも多くのタイトルを獲っていたので、変な言い方にはなりますが「タイトル慣れ」というか……。でも、ブンデスリーガで10年以上プレーして改めて、あの時の優勝が、ヴォルフスブルクが掴んだあの優勝がどれほどすごいことだったのか、より強く実感できます。

ーーヨーロッパの他リーグのクラブも長谷部選手に興味を示す中で、ドイツのクラブを移籍先として選んでこられました。ブンデスリーガを挑戦の場として選び続ける理由は何ですか?

長谷部 確かにこれまでドイツでプレーしている期間中、他国のリーグに挑戦するという選択肢もあったことはあったんですよ。

ただ、このブンデスリーガ自体も僕が来た11年前と比べると全ての環境において良くなっていますし、サッカーのレベルも上がって、より戦術的になっている。

そして、ドイツのサッカーの何より素晴らしいところは、どこに行ってもほぼ満員のサポーター、ファンがいてくれることです。やっぱりサッカー選手として、ファンがいることってモチベーションになるし、ファンがいないサッカーは考えられない。だからこそブンデスリーガの環境っていうのは僕にとっては素晴らしいもの。もちろん、ピッチ上のことだけではなく、それ以外の面でも僕自身はドイツの生活に馴染んでいますし、家族もドイツをすごく気に入っている。本当に、自分にとっては全ての面でパーフェクトな国であり、環境ですね。

ーーアイントラハト・フランクフルトのサポーターも、ブンデスリーガ屈指の熱狂的なサポーターとして知られています。

長谷部 本当に彼らは、言葉では言い表せないような素晴らしいサポートをしてくれます。ホームの試合ではもちろん、アウェーの試合であっても本当に多くのサポーターが駆けつけてくれる。キプロスで行われたヨーロッパリーグ(EL)のアポロン・リマソール戦でも5000人近いサポーターが、あんなに遠くまで、何度も何度も乗り継いで来てくれるっていうのは、本当に選手冥利に尽きる!僕らの背中を押してくれる存在だし、僕らのチームは今、本当にサポーターとチームとが一体となって素晴らしい関係性で戦えていると思うので、本当に彼らには感謝しかないですね。

ーー昨シーズンのニコ・コバチ監督(現バイエルン・ミュンヘン)、現在のアディ・ヒュッター監督、両監督は長谷部選手にとってどんな存在ですか?

長谷部 本当に、二人とも素晴らしい監督です。僕に多くのものを、ニコは与えてくれたし、アディは与え続けてくれている。二人は全く違うパーソナリティーを持っています。ニコは、より厳しさをチームに求める監督で、規律を大事にしますし、アディはどちらかというと選手に近い監督。選手とよくコミュニケーションを取ってやっていくスタイルだと思います。やり方は違っても、二人とも結果を出しているし、この二人の監督の下で仕事ができていることが自分にとって光栄であり、幸運です。

ーーフランクフルトは今季、最もエキサイティングなチームの1つと注目されています。今季の最終的な目標は?タイトル獲得のチャンスも視野に入っていますか?

長谷部 これだけ調子がいいと、周りの方々が「タイトル」とか「チャンピオンズリーグ」とか色々な話をすると思うんですけど、僕はここに来て、昨シーズンもそうだし、その前もそうだったと思いますが、リーグ前半戦は結構調子が良くて、チャンピオンズリーグだ何だと話をしていましたけど、結局はそのどちらのシーズンともインターナショナルな順位でリーグを終われなかったんですよね。ポカール(DFB杯)優勝したから今季はELに出場できていますけど。

そういう意味では、もちろん自分たちに自信を持ってポジティブに大きな目標を持つことは大事ですし、明確な目標に向かってやっていくということが必要だと思うんです。

その一方で、やっぱりまだまだ自分たちは謙虚に、本当に目の前の1試合1試合を集中してやっていかなければいけないし、そういう1試合を積み重ねることが、最終的には大きなゴールにたどり着く道になるのかなと思います。

フランクフルトのブンデスリーガ後半戦は1月19日、ホームでのフライブルク戦で幕を開ける。この試合が12月中旬、ELグループステージのラツィオ(イタリア)戦で負傷した長谷部の復帰第1戦になる可能性は十分にあるだろう。フランクフルトの躍進に、後半戦も目が離せない。

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